心理カウンセラーを目指す上で絶対知っておきたい心理療法の基礎知識

心理カウンセラーを目指す人のための心理療法の基礎知識

心理療法とは?

心理カウンセラーは臨床心理学と心理療法の知識に基づいて、クライエント(相談者)の援助を行います。心理療法は精神療法とも呼ばれ、カウンセリングの技法のことを意味します。

この記事では心理カウンセラーを目指す上で是非知っておきたい4つの代表的な心理療法を紹介します。

 

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心理カウンセラーに共通する傾聴スキル

具体的な心理療法をご紹介する前に全ての心理カウンセラーに共通するスキルを見ていきましょう。カウンセリングを成功させるためにはクライエントとの間に信頼関係を築くことが必須です。そのために用いられる最も基本的な技術が傾聴(けいちょう)です。

傾聴とはクライエントの話に全面的に注目し、深く話を聞くことで、傾聴と無関係な心理療法はほとんど存在しないと言っていいでしょう。そのため、傾聴の技術はあらゆる相談援助の仕事に共通する極めて基礎的なもので、心理的問題を扱うカウンセラーだけではなく、キャリアコンサルタントにも求められます。

深く傾聴されると、クライエントは理解され受け入れられたと感じるだけではなく、「問題の本質はなんなのか?」を明確にすることができます。要は、気持ちの整理ができるわけですね。するとクライエントはポジティブな方向に変化し、悩み事も減っていきます。

傾聴のスキルはカウンセリングだけではなく、家族や友人の相談にのる場合や、ビジネス現場での教育などあらゆるコミュニケーションで驚くほど役立ちます。具体的な傾聴の方法に興味がある方は「マンガでやさしくわかる傾聴」という本がお勧めです。

伝統的だけれども批判の多い精神分析療法

精神分析療法はオーストリアの精神科医フロイトが創始した心理療法です。心理療法の元祖とも言えるもので、非常に有名ですが現在では批判も多く、様々な問題点が指摘されています。

精神分析療法の最大の特色はクライエントの無意識に着目する点です。無意識の領域に抑圧されたものを解放し、意識化することで神経症などの心理的問題を解決しようとします。

精神分析の理論は心理療法の発展に多大な貢献をしただけではなく、いまなお理論的に重視される場合も少なくありませんが、いたずらに神秘的であり科学的根拠に欠けるという問題を抱えています。

精神分析の分野では、フロイト、ユング、ラカン、カレン・ホーナイといった人物が有名です。

知らないカウンセラーはいない!ロジャーズの来談者中心療法

臨床心理学者ロジャーズが創始した来談者中心療法は現代心理療法の古典とも言えるもので、カウンセリングの講座だけではなく、キャリアコンサルタントの講座などでも取り上げられます。

来談者中心療法は非支持的療法とも呼ばれ、カウンセラー自身の自己一致無条件の肯定共感的理解を重視します。

カウンセラー自身の自己一致という概念は理解しにくい部分もありますが、簡単に言えば、カウンセラー自身が心理的に健康でないと、カウンセリングを成功させることはできないという考え方です。実際、心理カウンセラーは強い不安を抱えていないことが重要だと言われています。

 

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「無条件の肯定」というのはクライエントの良い面も悪い面も無条件に受け入れることを意味します。「共感的理解」とは相談者が体験している心理的な世界をあたかも自分自身のことのように感じることを指します。

科学的にその効果が立証されている認知行動療法

認知行動療法(CBT)アーロン・T・ベックによって創始された心理療法で、科学的に効果が立証されている数少ない心理療法の1つです。薬物療法と同等の効果があると言われています。

精神分析を学んだものの、その効果に疑問を抱いたベックが認知療法を開発し、その理論に行動療法が融合して認知行動療法が誕生しました。その成立過程でアルバート・エリスという学者の論理療法(不合理な思い込み論理的説得によって修正する精神療法)の影響も少なからず受けています。

認知行動療法では現実的にものごとを認識できれば心理的問題は解決すると考えます。つまり、必要以上に悲観的に考えてしまうことで様々な心の病気が生じるということです。

そのため、認知行動療法では認知の歪み(非現実的で悲観的な考え)を修正することを重視します。認知の歪みの一例として恣意的推論(しいてきすいろん)というものがあります。恣意的推論とは十分な根拠がないのに一足飛びに悲観的な結論に至ってしまうことを意味します。

例えば友人を遊びに誘った際に1度断られただけで「あの人はきっと自分のことが嫌いなんだ」と考えるのは典型的な恣意的推論の実例です。実際にはその友達はただ忙しかっただけかもしれないし、一度遊びの誘いを断れたという根拠だけで「嫌われている」と考えるのは現実的でバランスのとれた認知とは言えません。

このように認知の歪みを現実的で適応的なものに修正することが認知行動療法の基本的な治療手法です。

唯一の国産!森田療法

森田療法は故・森田正馬が創始した国産の心理療法です。森田療法ではあるがままという態度を体得することが、不安障害や恐怖症の治療に有効だと考えます。「あるがまま」とは、ありのままの自分を認めるという意味ではなく、不安な気持ちはあっても、それをどうしようともせずに、なるべきことはなすという態度のことです。

森田療法では「あるがままの態度」を患者に習得させるために数か月の入院治療を実施します。現在では医療の現場で用いられることは少なくなりましたが、慈恵医科大学病院などでは今でも森田療法の入院治療を行っています。また最近では外来森田療法と言って、入院せずに森田療法による治療を行うクリニックも存在します。

心理療法に関するお勧め書籍

カウンセリング・心理療法の基礎―カウンセラー・セラピストを目指す人のために (有斐閣アルマ)

↑心理療法、カウンセリング理論について幅広く学べる良書。初学者でも無理なく学習できます。カウンセラーに興味のある全ての方にお勧めできる心理療法の入門書です。

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